3.消費税への対応(1)インボイス制度の導入にあたり、国は事業者に混乱が生じないよう制度の周知を徹底するとともに、事務負担を軽減するような環境整備が必要。課税事業者が免税事業者と取引を行う際、取引価格の引き下げや取引の停止などの不利益を与えないよう、実効性の高い対策をとるべき。(2)消費税の滞納防止は税率の引き上げやインボイス制度の導入に伴ってより重要な課題となっている。消費税の制度、執行面においてさらなる対策を講じる。(3)インボイス制度や電子帳簿保存法の改正による電子データ保存の義務化に対応するため、事業者の事務負担、納税協力コストは年々増加。システム改修や従業員教育などについて、中小企業に対する特段の配慮を求める。《税目別の具体的課題》1.法人税関係(1)役員給与の損金算入の拡充 ①役員給与は損金算入とすべき。 ②同族会社も業績連動給与の損金算入を認めるべき。(2)交際費課税の適用期限延長(3)中小企業向け賃上げ促進税制の適用期限延長4.地方税関係(1)固定資産税の抜本的見直し ①商業地等の宅地を評価するに当たっては、より収益性を考慮した評価に見直す。 ②家屋の評価は、経過年数に応じた評価方法に見直す。 ③償却資産については、納税者の事務負担軽減の観点から、申告対象外となる「少額資産」の範囲を国税の中小企業の少額減価償却資産(30万円)にまで拡大するとともに、賦課期日を各法人の事業年度末とする。また、諸外国の適用状況等を踏まえ、廃止を含め抜本的に見直すべきである。 ④固定資産税の免税点については、平成3年以降改定がなく据え置かれているため、大幅に引き上げる。 ⑤国土交通省、総務省、国税庁がそれぞれの目的に応じて土地の評価を行っているが、行政の効率化の観点から評価体制は一元化すべき。(2)事業所税の廃止 市町村合併の進行により課税主体が拡大するケースも目立つ。事業所税は固定資産税と二重課税的な性格を有することから廃止すべき。 (3)超過課税 住民税の超過課税は、個人ではなく主に法人を課税対象としているうえ、長期間にわたって課税を実施している自治体が多い。課税の公平を欠く安易な課税は行うべきでない。(4)法定外目的税 法定外目的税は、税の公平性・中立性に反することのないよう配慮するとともに、税収確保のために法人企業に対して安易な課税は行うべきではない。令和6年度税制改正に関する提言(法人企業関係を抜粋)-10-
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