(5)マイナンバー制度 政府は、マイナンバー制度は行政を効率化し、国民の利便性を高め、公正・公平な社会を実現する社会基盤と位置付けている。 マイナポイントというインセンティブの付与等によりマイナンバーカードの交付率は令和5年5月1日現在、全国69.8%(前年同月44.0%)、岡山県70.9%(前年同月43.1%)と向上した。 しかし、ここに来て、①公金受取口座に親族等の登録が行われたケース(約13万件)、②マイナンバーカードによるコンビニの証明書の誤交付、③健康保険証との誤った紐付け等、マイナンバー制度の信頼性を欠く事例が多数報告されている。 利便性の向上はマイナンバー制度の導入目的から当然のことであるが、前提にあるのは安全・安心である。 イ 信頼性の確保 昨今の不適切な案件はシステム上の問題と人為的ミスとがある。 プライバシー保護に十分留意した運用(二重三重のチェック等)のほか、十二分なセキュリティ対策及び人為的ミスの発生防止対策を講じること。 ロ 利便性の向上 今後、運転免許証との一体化や証券口座開設など民間のオンラインサービスでの使用などが計画されているが、一層の利便性の向上を図ること。 ハ デジタル難民への対応 現在、スマホ所有率(15~79歳)は9割を超えていると言われているが、「スマホ所有者」=「デジタル精通者」ではない。高齢者の多くはデジタル難民に区分される者も多いことから、マイナンバー制度の運用に当たっては、これらの者に対して十分配慮すること。2 経済活性化と中小企業対策 中小法人(資本金1億円以下)については、軽減税率や各種の政策税制(例えば、中小企業投資促進税制)が適用されるほか、欠損金繰越控除の控除限度、特定同族会社の留保金課税、法人事業税の外形標準課税をはじめとする多くの制度において大法人と異なる扱いが認められている。 中小企業の範囲の見直しをする場合は予見可能性を十分考慮の上、財政基盤の弱い中小法人の税負担が増えることのないよう十分な配慮を求める。 また、経済活性化に資する措置や中小企業の設備投資等に対する支援措置を求める。(1)中小企業の活性化に資する税制措置 法人税法はもとより地方税法の改正・見直しを強く求める。 (具体的な要望は、県連ホームページの「特集」をご覧ください。)(2)事業承継税制の拡充 令和4年度税制改正大綱によると、平成30年1月から10年間の特例措置について、「日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上が待ったなしの課題であるため事業承継を集中的に進めるための時限措置としていることを踏まえ、令和9年12月末までの適用期限については今後とも延長を行わない」とコメントしている。 経産省中小企業庁が作成した「平成30年度税制改正要望事項」をみると、「今後5年間で30万人以上の経営者が70歳(平均引退年齢)に達するにも関わらず、半数以上が事業承継の準備を追えていない」「現状を放置すると中小企業の廃業の増加により地域経済に深刻な打撃を与える恐れ」があると記載されている。 また、昨今の民間調査会社による調査によると、後継者不在率は改善傾向にある。一方、休廃-8-
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