岡山県法人会連合会会報No62
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 岡山県法人会連合会では、6月8日に令和5年度第1回税制委員会を開催しました。県内各単位会からの税制改正の要望や意見、また、昨年11月から12月までの間に実施した「税に関するご意見募集キャンペーン」の際に寄せられたご意見等を踏まえ協議検討を行い、県連としての意見要望をとりまとめ、全法連に提出しました。 その中で、基本的な課題としているものは次のとおりです。 なお、各論(税目別)を含む全文は、県連ホームページ(特集)をご覧ください。基本的な課題 本年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行し、コロナ前の日常が戻りつつあり、経済活動にも明るい兆しが見えてきた。 しかし、原材料価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻、円安等による物価高騰は経済社会に大きな影響を及ぼし、3年以上にわたるコロナ禍により体力を削がれた多くの中小企業は大変厳しい状況が続いている。 中小企業は我が国企業の大半を占め、地域経済の活性化と雇用の確保などに大きく貢献しており、いわば経済社会の土台ともいえる存在である。昨今の経済情勢が続くと、経済社会にとっても取り返しのつかない事態に陥ると懸念する。 わが国の財政をみると「中福祉・低負担」という給付と負担の不均衡を主な要因とし先進諸国の中で突出して悪化していた。そこに膨大な新型コロナウイルス感染症対策費が加わり、財政赤字は大幅に拡大した。 また、わが国の人口動態をみると、令和4年の出生数は統計開始以降初めて80万人を下回り、コロナ禍の影響も考えられるものの、想定を超えて急速に少子化が進んでいる。このことは、岸田総理の「危機的な状況と認識している」とのコメントにも表れている。 併せて、団塊の世代が後期高齢者に仲間入りし医療と介護の給付費の急増が見込まれる「2025年問題」の到来も近づいている。 これらのことから、税財政改革により持続可能な社会保障制度等の構築と財政健全化の両立が求められる。 そこで、短期的にはコロナ禍等で疲弊している中小企業を元気づける実効性のある対策、中長期的には財政健全化等に向けた対策を求める。1 税・財政改革(1)財政健全化に向けて 令和5年度の一般会計予算は、防衛力の抜本的強化やこども・子育て支援策等を主な柱に据え、過去最大(当初予算)の114.3兆円となった。 歳入のうち公債金は35.6兆円、令和4年度末の国債残高は1,068.0兆円と非常に厳しい財政状況となっている。 政府は令和3年6月18日の閣議決定において「財政健全化の旗を降ろすことなく『経済財政運営と改革の基本方針2021』等における2025年度のプライマリーバランスの黒字化目標等の達成に向令和6年度税制改正に関する意見要望-4-

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