岡山県法人会連合会会報No61
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OKAYAMA 県法連会報|NO.61-7-的な事業承継税制が必要である。とくに、事業継続に資する相続については、事業従事を条件として他の一般資産と切り離し、非上場株式を含めて事業用資産への課税を軽減あるいは免除する制度の創設が求められる。(2)相続税、贈与税の納税猶予制度の充実 事業承継がより円滑に実施できるよう以下の措置を求める。①猶予制度ではなく免除制度に改める。②新型コロナの影響などを考慮すると、より一層、平成29年以前の制度適用者に対しても要件を緩和するなど配慮すべきである。③国は円滑な事業承継が図られるよう、経営者に向けた制度周知に努める必要がある。(3)取引相場のない株式の評価の見直し 取引相場のない株式は換金性に乏しいことを考慮し、評価のあり方を見直す必要がある。3.消費税への対応 消費税は社会保障の安定財源確保と財政健全化に欠かせないが、軽減税率制度は事業者の事務負担が大きいうえ、税制の簡素化、税務執行コストおよび税収確保などの観点から問題が多い。このため、かねてから税率10%程度までは単一税率が望ましく、低所得者対策は「簡素な給付措置」の見直しで対応するのが適当であることを指摘してきた。国民や事業者への影響、低所得者対策の効果等を検証し、問題があれば同制度の是非を含めて見直しが必要である。(1)令和5年10月から導入される「インボイス制度」について、すでに「インボイス発行事業者」の登録申請がはじまっているものの、事業者のインボイス制度に対する理解が十分に深まっているとは言い難い。さらに、新型コロナは小規模事業者等の事業継続に大きな困難をもたらした。これら事業者が事務負担増や取引から排除等の理由により休廃業に追い込まれることのないよう、当面は現行の「区分記載請求書等保存方式」の維持、または免税事業者からの仕入税額相当額の8割を控除できる経過措置を当分の間維持するなど、弾力的に対応すべきである。(2)インボイス制度を実施するのであれば、国は事業者に混乱が生じないよう制度の周知を徹底するとともに、事務負担が軽減するような環境整備が必要である。また、課税事業者が免税事業者と取引を行うに際し、取引価格の引き下げや取引の停止などの不利益を与えないよう、実効性の高い対策をとるべきである。(3)消費税の滞納防止は税率の引き上げに伴ってより重要な課題となっている。消費税の制度、執行面においてさらなる対策を講じる必要がある。(4)インボイス制度や電子帳簿保存法の改正による電子データ保存の義務化に対応するなど、事業者の事務負担、納税協力コストは年々増加している。特に電子データ保存の義務化については、全ての事業者が対象となっており影響は大きい。システム改修や従業員教育など、事務負担が増大する中小企業に対して特段の配慮が求められる。≪税目別の具体的課題≫1.法人税関係(1)役員給与の損金算入の拡充①役員給与は損金算入とすべき②同族会社も業績連動給与の損金算入を認めるべき

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