県法連会報51号
11/18
-11-中学生の税に関する作文<岡山県法人会連合会 会長賞> 平成二十九年度「中学生税に関する作文(主催:納税貯蓄組合、国税庁、後援:法人会、青申会、間税会、税理士会)」について、岡山県下から百十九校五千四百八十六点の応募がありました。岡山県法人会連合会会長賞を受賞した学校法人 関西学園 岡山中学校三年 道本和磨さんの作文を紹介します。『税金の無駄遣い』 先日、病院を受診した際、薬をもらった窓口に「お家にお薬、余ってませんか?」というポスターが貼られていた。 ポスターの説明書きには「家に残薬があれば、新しい薬を処方しなくて済むため、薬代の負担が節約できる」といった内容が書かれていた。 薬が家に余るという感覚が理解できない僕に対し「あなただって、今日もらったこの風邪薬を最後まで飲みきる?症状が良くなったら飲まなくなるでしょ。しかもこの薬の一部は税金でまかなわれているんだからね。」と母は言った。 残薬について知識が乏しかった僕は、それについて調べてみた。 厚生労働省の調査によると、残薬は年間五百億円に上るとあった。 また、別の記事には高齢者より、三十代・四十台の生活習慣病患者の方が薬の飲み残しが多い、と記されていた。生活習慣病患者は「痛い」「熱がある」などのつらい症状が出にくいため、ついつい薬を飲まずに過ごしてしまうそうだ。 僕にも同じことが当てはまる。風邪をひいても、お腹がいたくなくなっても「最後まで薬を飲みきるように」と医師に言われるが、調子がよくなるとついつい飲まなくなってしまう。 残薬の現状を知った今、ぼくは自分がしてきた「税金の無駄遣い」について落胆した。 薬は決してただではない。冒頭で述べたポスターには「残薬をなくすことで薬代の節約を」と書いていたが、無駄な薬を減らすことは自己負担を節約するだけでなく、国の医療費削減にもつながるということになる。 これから高齢化社会を迎えるにあたり、「高齢者が薬の管理ができなくなる」→「症状が悪化する」→「医療費負担が増える」、という悪循環に陥る可能性が高くなる。こうした問題を回避するためには、ひとりひとりが税金の無駄遣いについての意識を持つことが重要だ。 残薬については、たまたま病院で見かけたポスターで知ることができた。しかし、同世代の仲間がこの事実を知っているだろうか? 世の中には、他にも僕達が知らなければならない事がたくさんある。これから大人になっていく僕達世代が、たくさんの事に興味を持ち、アンテナを張って「どうしたらより良い未来にできるか」を考えていくべきだと僕は考える。 そして、未来の日本の担い手となる僕らが、税金を無駄なく有効に活用する仕組みを作っていきたい。
元のページ
../index.html#11