県法連会報45号
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-4-平成二十七年度 税制改正に関する 提言(要約の一部) 《基本的な課題》Ⅰ.社会保障と税の一体改  革と今後のあり方一.社会保障制度のあり方に対  する基本的考え方 我が国の社会保障制度は「中福祉」「低負担」であり、高齢化社会の急進展により今後の社会保障給付は急速な増大が不可避とされることから、社会保障制度の改革は急を要する。 ㈠年金については、「マクロ経済スライドの厳格な適用」「支給開始年齢の引き上げ」「高所得者の年金給付の削減」等、抜本的な施策を実施する。 ㈡医療については、成長分野と位置付け、大胆な規制改革を行う必要がある。また、給付の急増を抑制するために診療報酬(本体)体系を見直すとともに、後発医薬品(ジェネリック)の使用促進を強化する。 ㈢介護保険については、制度の持続性を高めるために、真に介護が必要な者とそうでない者とにメリハリをつけ、給付のあり方を見直すべきである。 ㈣生活保護については、給付水準のあり方などを見直すとともに、不正受給の防止などさらなる厳格な運用が不可欠である。 ㈤少子化対策では、現金給付より保育所の整備など現物給付に重点を置いた方が効果的である。 ㈥企業の過度な保険料負担を抑え、経済成長を阻害しないような社会保障制度の確立が求められる。二.消費税引き上げに伴う対応  措置 ㈠消費税率のさらなる引き上げに対応するため、現在施行されている「消費税転嫁対策特別措置法」の効果等を検証し、中小企業が適正に価格転嫁できるよう、さらに実効性の高い対策をとるべきである。 ㈡事業者の事務負担、税制の簡素化、税務執行コストおよび税収確保などの観点から、当面(税率十%程度までは)は単一税率が望ましい。  また、インボイスについては、単一税率であれば現行の「請求書等保存方式」で十分対応できるものと考えるので、導入の必要はない。 ㈢税の滞納全体に占める消費税の割合は依然として高く、国民に消費税に対する不信感を与える一因ともなっている。本来、消費税は預り金的な性格を有する税であることから、消費税率のさらなる引き上げを考慮すると、その滞納防止に向けて、制度、執行面においてより実効性のある対策を講じる必要がある。三.財政健全化に向けて ㈠財政健全化の達成は税の自然増収や増税のみに頼るのではなく、聖域なき歳出削減が不可欠である。その際には社会保障をはじめとした各歳出分野に削減目標を定め、その達成に必要な具体的方策と工程表を明示して着実に実行することを求める。 ㈡消費税率のさらなる引き上げに当たっては経済への負荷を和らげる財政措置も必要になろうが、財政健全化の阻害要因とならないよう十分注意すべきである。 ㈢国債の信認が揺らいだ場合、金利の急上昇など金融資本市場に多大な影響を与え、成長を阻害することが考えられる。市場の動向を踏まえた細心の財政運営が求められる。四.行政改革の徹底 社会保障の安定財源確保と財政健全化のために、消費税が引き上げられることは重要であるが、その前提に「行革の徹底」があったことを改めて想起する必要がある。 ㈠国・地方における議員定数

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