県法連会報44号
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-5-税は存続しており、これも廃止すべきである。(7)少額減価償却資産の取得価格限度額の見直しと減価償却計算の簡素化 取得価格が、二十万円未満は一括償却資産制度、三十万円未満は少額減価償却資産の即時損金算入制度があり、一般の減価償却制度と合わせて三制度が存在しており、少額減価償却資産の取得価格三十万円未満は必要経費とし、制度の一本化を図るべきである。 また、平成十九年改正により残存価格と減価償却限度額の廃止と二五〇%定率法が導入され、その後二〇〇%定率法に改正され、計算が複雑となっており簡素化を図るべきである。<資産課税関係>○事業承継税制の確立 平成二十六年度税制改正において、事業承継税制の適用要件が緩和されたが、不十分であり、引き続き利用しやすい制度に向け検討すべきである。 特に、事業用の土地建物等の評価は、時価基準ではなく、収益還元価値とすべきである。 また、雇用を維持して事業を承継した場合、従業員数や企業資産の規模等による基準を設け、事業承継後の経過年数により、納税免除とするなど措置すべきである。<消費税関係>(1)軽減税率 政府は、軽減税率は社会保障と税の一体改革の原点に立って、必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得たうえで税率一〇%時に導入するとしているが、一〇%までは単一税率を維持すべきである。 なお、財政健全化のため将来消費税率を二〇%程度以上とせざるを得ない場合には、十分な議論を尽くした上、低所得者対策として導入すべきである。(2)インボイス方式の導入 この四月に消費税が五%から八%に上がったが、これだけでも中小企業における事務処理は煩雑になっており、軽減税率を導入する場合、現行の請求書保存方式での事務処理は、より一層煩雑さが増幅すると想定されるので、インボイス方式の導入は不可欠なものと考える。(3)滞納防止 滞納防止策として、中間納付を少額多数回とし、納税しやすい制度とするべきである。<地方税関係>(1)事業所税の廃止 昭和五十年に新設された人口三十万人以上の都市に適用されている事業所税は、当時急務とされた指定都市の都市環境の整備及び改善に関する財源とするために創設された目的税であるが、従来からある固定資産税及び都市計画税と二重に課せられており、また、市町村合併の結果思わぬ課税対象となるケースも増加しているので、このような事業所税は廃止すべきである。(2)法人事業税の外形標準課税の廃止 外形標準課税制度は、本質的に「人件費課税」の側面を有しており、人件費の多い法人は雇用面から地域社会に多大な貢献をしているにもかかわらず、赤字で担税力のない法人に対しても負担を求めるものである。 このように赤字法人や人件費の多い法人に過重な負担を強いる本制度を廃止するべきである。(3)法人住民税の均等割の見直し 法人住民税の均等割の適用区分に用いる資本金等の額について、無償減資があった場合には、その額を資本金等の額から減額したのちの金額とするべきである。(4)固定資産税の課税適正化 固定資産税の適正化、公平化を実現するには、固定資産税の評価方法等の適正化、例えば収益還元価格での評価が必要である。一方、少額資産保有者、最低限の居住用財産に対する固定資産税の軽減を図るべきである。

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